保育士の出会いは、数を増やして解決する問題じゃない。増やすほど消耗して、続かなくなるようになっているから。
先に手を入れるのは選別のほう。誰を通して誰を通さないかを決めておくと、同じ体力で結果が変わる。
職場に男性がいないから、出会いの数がゼロ
職員室を見渡して、男性が園長だけ。合コンに呼ばれても、そもそも呼ぶ側の友人も保育士。世界が閉じている感覚、よく分かる。
ただ、ゼロだと思っている状態の中身を開けてみると、たいてい別のものが出てくる。
数の問題に見えて、接点の設計が抜けているだけ
職場に男性がいないことと、出会いがないことは同じじゃない。会社員だって、職場の人と結婚する人ばかりじゃないでしょ。
問題は、勤務が終わった後に人と接触する経路が用意されていないこと。夜は疲れている。土日は行事か寝ている。動線に人が乗る場所がない。
ここを設計として見ると、直せる場所が出てくる。性格でも見た目でもなく、時間割の話だから。
平日が空くのは弱点ではなく、噛み合う相手を絞る武器
シフトで平日に休みが入るのを、不利だと思っている人が多い。実際は逆に働く場面がある。
土日休みの人と予定を合わせるのは難しい。でも、同じく平日に休む職種となら、むしろ合わせやすい。美容師、看護師や薬剤師、飲食、ホテル、小売、消防や警察、鉄道やインフラの交代勤務。この層は土日に休みを取りづらいから、平日に動ける相手を探している。
しかも平日の街は空いている。混雑で消耗しない。土日の人混みでへとへとになる会い方より、体力の残り方がまるで違う。
平日休みの職種を三つ書き出す
今日やるのは紙の上の作業だけ。自分の休みと噛み合う職種を三つ書く。
書いた三つは、アプリで絞り込む時の条件になるし、紹介を頼む時の言い方にもなる。誰かに会う必要はない。五分で終わる。
疲れすぎて、休みの日は寝て終わる
意志の弱さだと責めている人が多い。責めても回復しないので、まず構造を見よう。
年度のサイクルには、動ける窓が用意されている
保育の仕事は、忙しさが年間で波打っている。四月は慣らしと書類で潰れる。連休明けは子どもも大人も崩れる。運動会の前後、発表会の準備、そして年度末の進級と卒園。ここは動けなくて当たり前。
比較的息がつけるのは、六月から七月のあたりと、行事と行事の谷間。園の規模や行事の組み方で変わるから、自分の園の去年の予定表を見返すのが早い。
見えてくるのは、動ける窓が年に二回か三回しかないという事実。だから通年で頑張ろうとすると必ず折れる。
気力で戦わず、窓に予定を先置きする
34歳の保育士から相談を受けたことがある。三月に婚活を始めて、三週間で潰れたという話だった。卒園式の準備と重なっていた。潰れるに決まっている。
六月に再開してもらったら、そのまま半年続いた。本人の性格も体力も何も変わっていない。開始時期だけ変えた。
窓が来てから動こうとすると、その頃には気力が別のことに使われている。だから窓の予定は、忙しい時期のうちに先に書き込んでおく。備えておくと、疲れた自分が判断しなくて済む。
次の窓の週末を一つ押さえる
やることは、予定表に一日確保するだけ。内容は後で決めていい。
先に空白を作った日は、他の用事に埋まらない。逆に言えば、空けておかないと必ず埋まる。これは意志の問題じゃなく、順番の問題でしょ。
保育士と名乗ると、食いつかれ方が変で疲れる
反応がいいのは事実。それなのに、うれしくない。この違和感は正しく、放置すると消耗だけが積み上がる。
刺さりすぎる肩書きが呼び寄せるもの
保育士という言葉には、優しい、家庭的、子ども好き、というイメージが自動で貼りつく。相手はあなたを見る前に、そのイメージを見ている。
結果、寄ってくる人の数は増える。ただし、増えているのはイメージ目当ての層。会ってみると自分の話をされていない、という現象が起きる。
数が増えているのに満たされないなら、通っている量が多すぎるだけ。ふるいの目が粗い。
見分けの決定打は、相手の質問の中身
28歳の保育士から聞いた話が分かりやすい。プロフィールに職業を書いた途端、メッセージが三倍に増えた。ただ、来る内容は子ども好きアピールと、将来うちの子を見てほしいという話ばかりだったという。
彼女は職業の表記を消して、代わりに好きな音楽と休日の過ごし方を書いた。数は半分以下に落ちた。会うところまで進む割合は上がった。
見分ける基準はここ。相手の質問が、あなたの職業に向いているか、あなた個人に向いているか。仕事の大変さを聞く質問は職業への関心に見えて、実は個人への関心でもある。分かれるのは、あなたが疲れているという話をした時に、心配が来るか、それでも子どもは可愛いでしょと返ってくるか。
職業を出すタイミングを一段遅らせる
隠す必要はない。順番を変えるだけ。最初の自己紹介では出さず、二回目か三回目の会話まで持っておく。
その間に、相手はあなた個人の情報で判断することになる。イメージ経由でしか興味を持てない人は、そこで自然に離れていく。労力をかけずにふるいがかかる。
給料を考えると、婚活にお金をかけられない
月謝の高い相談所は現実的じゃない。かといって無料の場だけで進むのかも分からない。この迷い、当然だと思う。
消えているのは金より回復時間
見落とされがちなのがこっち。婚活で本当に減っているのは、金額より休養に使えるはずだった時間。
体力が資本の仕事で休みを一日使うと、翌週の消耗に直結する。合わない相手に会った一日が、次の三日を削っていく。この計算を入れないと、安い手段のほうが高くつく。
回復時間あたりの成果で並べ替える
判断の軸を金額から時間へ変えよう。一回の外出で何人と会えるか、条件を先に絞り込めるか、移動時間はどれだけか。
条件を事前に絞れる手段は、休日一日あたりの効率が高い。相手の勤務形態や休みの曜日で先に絞れるなら、無駄な一日が減る。
逆に、行ってみないと誰が来るか分からない場は、数は稼げても回復時間の消費が大きい。安くても割に合わない場合がある。
有料の場を一つに絞る
複数に登録して全部回すのは、体力の使い方として無理がある。一つに絞って、そこだけ真面目に運用する。
半年で結果が出なければ変える。同時に走らせないほうが、疲労の総量が減る。撤退も簡単でしょ。
職場や保護者に手を出したら、逃げ場がなくなる
ここだけは、やり直しがきかない領域
園は狭い。職員の関係が崩れると、毎日その人と保育を回すことになる。子どもの前で空気が悪くなるのは、避けたいところでしょ。
保護者との関係は、さらに重い。相手に家庭がある場合はもちろん、ない場合でも、園としての信用に直結する。個人的なやり取りが始まった時点で、職業上の立場が揺らぐ。
他の失敗は数日で薄れる。この領域の失敗は、職場を変えるまで消えない。可逆かどうかで判断するなら、答えははっきりしている。
男性保育士が抱えるもう一段の難しさ
男性保育士の場合、職場での距離の取り方に、さらに慎重さが求められる。少数派であるぶん、行動が目立つ。
同僚との個人的な関係も、保護者との連絡も、噂が回るまでの速度が違う。理不尽に感じる場面もあるはず。ただ、事実として不利に働く場面がある以上、外の場で出会いを作るほうが結果的に早い。
線を先に引いておく
判断が必要な場面が来る前に、決めておく。園の中では作らない。保護者とは個人的な連絡先を交換しない。この二つだけ。
先に決めてあれば、その場で悩まない。悩まなければ、流されようがない。備えておくというのは、こういう形の準備を指す。
今日の一歩は、これ一つだけ
自己紹介の一行に、保育士以外の情報を一つ足す。好きな食べ物でも、通っているジムでも、最近見た映画でもいい。
たったこれだけで、あなた個人を見る人の比率が上がる。肩書きだけに反応する層は減っていく。数は落ちるかもしれないけど、削られる体力も落ちる。
外に出る必要も、誰かに会う必要もない。一行、書き足すだけ。今日中に終わるでしょ。

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