「また逃げてしまった」
LINEの既読スルー、直前のキャンセル、なんでもない顔でかわした本音。 ……自分でも、なんでそうしてしまうのか、よくわからない。
好きじゃないわけじゃない。むしろ、すごく好きだから、こわい。
この感覚、誰かに話したことある?たぶん、ないよね。うまく言葉にできないし、言ったところで「じゃあ近づけばいいじゃん」で終わりそうで。(そう、それが全然できないんだけど…)
この記事は、そういう「矛盾した自分」を抱えて疲れてしまっている人のために書きました。
「回避依存症」って、要するにどういうこと?
カウンセリング用語で言えば、愛着スタイルのひとつ。 でも正直、難しい名前はどうでもよくて。
「愛されたいのに、近づかれると逃げてしまう」
それだけ。ただそれだけの話なんです。
胸がドキドキする感覚が、ときめきじゃなくて警戒心に変わる瞬間、ある? 相手が優しくしてくれるほど、どこかで「これ、依存させようとしてるんじゃないか」ってアンテナが立っちゃう感じ。
おかしいのかなって、何度も思った。 でも、おかしくない。それは傷ついた心が自分を守ろうとしている、れっきとした反応なんです。
私が気づいた「逃げてしまう瞬間」のリスト
自分の話をしていいですか。
20代後半のころ、付き合って3ヶ月ごとにフェードアウトを繰り返していた時期がありました。相手が悪いわけじゃない。むしろいい人ほど、気持ちが重くなって、ある日スマホを見るのが怖くなる。
(あれ、私この人のこと好きじゃなくなった?いや、違う。でも…なんでこんなにしんどいんだろ)
名前もつけられなかった感覚。あとから回避依存という言葉を知って、初めて「あ、私だけじゃないんだ」と息ができた気がした。
具体的に逃げが発動するのは、こんな瞬間でした。
「最近何考えてる?」と聞かれたとき
「べつに〜」って返す。内心は全然「べつに」じゃなくて、頭の中ぐるぐるなのに。なぜか口が開かない。喉のあたりがきゅっとなって、言葉が出てこない。
ご飯の誘いが週3回を超えたとき
「ちょっと疲れてて」「仕事立て込んでて」──気づけばそればかり。相手は何も悪くないのに、距離を詰めてくるというだけで、呼吸が浅くなっていく感じ。
告白されそうな空気になったとき
前日まで楽しみにしてたデートを、当日の朝にキャンセルしたこともある。理由はなんとなく体調不良にした。(本当は、ちゃんと受け取る自信がなかっただけ)
これって、なんで起きるの?
根っこには、だいたい「傷ついた記憶」がある。
子どもの頃、感情を出したら怒られた。 親に「泣いてもどうにもならない」と言われ続けた。 好きな人に裏切られて、もう心を預けるのが怖くなった。
そういう経験が積み重なると、脳が覚えてしまうんですよね。「人を信頼することは、危険だ」と。
だから、相手が近づいてくるほど、心の中の警戒システムがブーーーーンと起動する。好きとか嫌いとか関係なく、自動的に。
自分の意志でやってるわけじゃないから、余計につらい。止めたいのに止められない、あの感覚。
実際に変わった人たちの話
Aさん:ノートに「逃げた瞬間」を記録したら、自分のパターンが見えた
彼女がやったのは、恋人との会話をそのままノートに書き起こすこと。読み返してみたら、毎回「将来の話になった瞬間」に話題を変えていることに気づいた。
赤ペンで「なぜここで引いたか」をひたすら書き続けること半年。最終的には「今日ちょっと疲れてるから連絡少なくしていい?」と、理由つきでちゃんと伝えられるようになった。
以前の自分なら、無言でフェードアウトしてた案件。変わったな、と思った瞬間だったらしい。
Bさん:最初の「小さなルール」が命綱になった
フリーランスで独立した直後、仕事を盾にして全部の誘いを断っていたBさん。「このままじゃ孤独に慣れすぎる」と気づいて、週1回30分だけ「嬉しかったことをビデオ電話で話す」というルールを設けた。
最初はぎこちなくて、「こんな話してもいいのかな…」って毎回迷ってたって。でも続けるうちに、電話を切った後に温かい気持ちが残るようになった。以前は人と話すと疲れてたのに、なんか充電される感じになってきたって言ってた。
Cさん:失敗して、また失敗して、それでも続けた話
Cさんは、「感情を見せるのは弱さ」と育てられたタイプ。カウンセリングで「寂しいときはスタンプだけ送っていい」という許可を自分に出すことから始めた。
初めて涙の絵文字を送った日のこと、今でも覚えてるって。相手から「大丈夫?何かあった?」って返ってきたとき、胸の奥がじんわり熱くなった。責められると思ってたのに。(心配されるって、こういうことか…)
2年後、ふたりは同棲を始めた。
これ、全員が最初からうまくいったわけじゃないし、Bさんもそのルールを何度かすっぽかして彼氏に謝ってる。でも、「完璧にやろうとしない」ほうがうまくいく、というのがみんなの共通点だった。
今日から試せること、3つだけ
難しいことはしなくていい。というか、最初から高いハードルを設定すると確実に嫌になるから。
① 「逃げた瞬間」だけメモする
理由も解決策も要らない。「今日彼からLINEが来て、なんか嫌な感じがして返事しなかった」それだけ。続けてると、自分だけの「地雷マップ」ができてくる。
② 感情を伝えるのは「スタンプ1個」から
言葉にするのがこわい人は、文字を使わなくていい。「疲れてる顔のスタンプ」を送るだけで、ちゃんと「今ちょっと余裕ない」が伝わる。意外と、それだけで関係が動く。
③ 相手に「こうしてほしい」を一個だけ言う
「緊張してるとき、急かさないでほしい」「疲れたとき一人にしてほしい、でも嫌いになったわけじゃないから」そういう小さなお願いを、一個だけ。
頼むのが苦手な人こそ、試してほしい。案外、相手は「教えてくれてよかった」って思ってる。
自分を責めなくていい、という話
最後にこれだけ言わせてください。
逃げてしまう自分を、ずっと責めてきたんじゃないかな。 「どうせ私はまた逃げる」「こんな自分じゃ誰とも続かない」…
でもね、回避的になったのはあなたが弱いからじゃなくて、そうしないとやっていけない時期があったから。心がそうやって自分を守ってきた。
変わろうとすること自体、もう十分すごい一歩です。 うまくいかない日があっても、また始めればいい。それだけの話。
息苦しくなる自分を抱えながらも、ここまで読んでくれたあなたへ。 もう少しだけ、自分に優しくしてあげてほしいな。
コメント