女子が言われて嬉しい言葉|引かれる不安を消して言える褒め方

女子が言われて嬉しいのは、本人が選んだものに気づく一言。服ならセンスに、仕事なら積み重ねた工夫に目を向ける。その一言を置いてすぐ離れれば、下心を疑われる心配もずいぶん減ります。

職場の同僚、気になる人、付き合っている彼女。相手は違っても、言えない理由はよく似ている。引かれたら、軽いと思われたら、そっけなく返されたら。

二十代の半ばまで、私は女性を褒めたことがほとんどなかった。口にした瞬間、下心だと思われる気がしていたから。

友人の紹介で知り合った今の彼女とも、最初の三回は何も言えなかった。駅で手を振ったあと、今日の店も当たりだった、と送るのが精一杯。

四回目の食事でようやく、店選びがいつも外れないね、と面と向かって言えた。まさか、それが一番言われたかった言葉だったとは。

口を重くしている怖さをほどく道具は、全部で五つ。どれか一つ当てるだけでも、一言目のハードルは下がる。

  • 何が怖いのかを、一つの場面に絞る
  • その場面が本当に起きるか、見込みを測る
  • 最悪の反応でも、何日で忘れられるか数える
  • 言い直しや取り返しがきくかを確かめる
  • 自分で選べる部分と、相手の受け取り方を分ける
目次

何を言えば喜ばれるのか、わからない

手持ちの褒め言葉は、かわいいか、きれいか。それを口にする自分を想像すると、正直言って背中がむずむずする。ほかの言葉が見つからないうちは、何も言わないのが安全に思えてしまうんだ。

嬉しさの正体は、気づいてもらえた瞬間

足りないのは語彙ではなく、相手のどこを見るかの見当だ。誰かに言って反応がよかった一言を、私はスマホのメモに残してきた。読み返すと、どれも相手が自分で選んだことか、続けてきたことに触れていた。

彼女いわく、一番嬉しいのは、自分でも気に入っている所を褒められたとき。自信のある部分に気づかれると、ちゃんと見てくれている、と感じるらしい。

言葉にしやすい三つの的

一つ目は、相手が選んだもの。そのマフラーの色、今日の服に合ってるね、と物より選び方を褒める。店選びを任せた日なら、ここ、どうやって見つけたの、と聞くだけでも伝わる。

二つ目は、続けていること。朝の英語の勉強を半年続けている同僚には、続いてるのがすごい、と伝える。成果より日々の手間に向けた言葉は、まっすぐ届きやすい。

三つ目は、自分が受け取ったもの。さっきの一言で気が楽になった、話していると時間がたつのが早い、と伝える。相手に点数をつけずに、自分に起きた変化だけを渡す。

褒めたつもりで、上からになる言い方

褒めたつもりの一言が、相手を下に置いてしまうこともある。比べたり、驚いてみせたりする言い方がそれだ。

  • 女性にしては、と性別でくくる
  • 料理できるなんて驚いた、と意外がってみせる
  • 前よりずっといい、と過去の本人を下げる

どれも、素直に喜びにくい言い回しだ。比較や驚きが混ざっていないか、言う前に一度だけ確かめよう。

次に会う人への一文を、先に作っておく

まずは、次に会う相手の顔を一人思い浮かべてみよう。三つの的のうち、一番早く浮かんだものを短い一文にして準備しておこう。

褒めたら、下心があると思われそう

同じ部署の人を褒めたら、狙っていると噂されるかもしれない。片思いの相手ならなおさら、好意が透けて見えるのが怖い。そんな不安が、言葉をのどの奥へ押し戻してしまうのも無理はない。

疑われる場面を一つに絞ってみる

怖い場面は、一つに絞れる。褒めたとたん、何か用があるのかと聞き返される場面だ。

私の場合、怖かったのは噂ではなく、その一言の裏を尋ねられることだった。用意した答えなど、一つもなかったから。

警戒されるのは、褒め言葉のあとに続く動き

褒めてすぐ誘ったり、二人きりになろうとしたりすると、狙いを探られる。褒め言葉だけを置いて離れれば、相手には問いただす理由もない。人は言葉より、その後の振る舞いで相手の意図を読む。

入社四年目、隣の席の同期の女性に、資料の色分けが見やすいと一言だけ伝えた。言い終わったら余計なことは足さず、すぐ自分の仕事に戻った。(変に思われてないよな)結局、何の用かと聞かれる日は、一度も来ないまま。

褒めたらそこで話を切り上げる

相手がどう受け取るかは、こちらでは決められない。決められるのは、褒めたあとに何をして、何をしないかだけ。一言伝えたら、誘いも質問も重ねずに、いったん話を終えよう。

職場なら、二人きりのときより、周りに人がいる場で褒めるほうがいい。会議のあと、さっきの説明わかりやすかった、と皆の前で言えば疑われにくい。

好きな人が相手でも、考え方は同じ。褒め言葉と誘いは、別の日に分けて渡すくらいでちょうどいい。

見た目に触れていいのか、線引きがわからない

髪を切った同僚に気づいても、口に出していいのか迷ってしまう。容姿の話は、ひとつ間違えればセクハラと受け取られかねない。境目が見えないから、見た目の話題ごと避けたくなるんだよね。

引っかかるのは、事情が見えない体の話

職場で見聞きした失言には、話題にした部分に共通点がある。体型、年齢、顔立ちのように、体そのものに関わるところだ。服、髪型、小物のように、自分で決めたものとは話が違う。

新人のころ、女性の先輩に突然、痩せました?と聞いて場を凍らせたことがある。(褒めたつもりだった。完全にやらかした)体型が変わった理由は、本人にしかわからない。

先輩とまともに話せるまで、一週間かかった。褒めることそのものが怖くなったのは、この日の失敗からだ。

服や髪型は、関係の近さで線を引く

服や髪型を決めたのは、本人の判断だ。そこに触れる一言は、体型の話ほど相手を傷つけにくい。ただし職場では、身なりの話を自分から振らないと決めておこう。

同僚が髪を切っても、職場ではこちらから話題にしない。相手から髪の話が出たら、似合ってますね、と返せば足りる。自分が先輩や上司の立場なら、なおさら見た目には触れずにおく。

話しかける前に、三本の線を引いておく

迷ったときのために、自分の中の線を先に引いておこう。次の三つを守るだけで、容姿の話でつまずく場面はぐっと減る。

  • 体型や年齢、顔のつくりには触れない
  • ほかの誰かの見た目と比べない
  • 職場では、服より仕事の工夫を褒める

痩せた?と言いたくなったら、その言葉はしまっておこう。職場なら仕事ぶりへ、彼女や親しい相手なら服や持ち物の話へ移せばいい。

お世辞っぽく聞こえて、軽い人だと思われそう

一言褒めたそばから、自分の声がやけに軽く聞こえる。誰にでも同じことを言う人に見えていそうで、落ち着かない。お世辞扱いされるくらいなら、黙っているほうがましだとさえ思えてくる。

お世辞に聞こえるのは、どこでも使える言葉

軽さの出どころを探ると、言葉の使い回しやすさに行き着く。かわいい、すごい、さすが。誰にでも、どんな場面でも言える言葉ほど、中身が薄く響く。

付き合えて浮かれていたころ、私は毎晩のように、かわいいね、と送っていた。ある日返ってきたのは、それ定型文っぽい、の一言。図星すぎて、しばらく返信できなかった笑

その日の服の色だけを褒めてみた

同じ褒め言葉でも、具体的な部分が一つ入るだけで印象は変わる。そのニットの色で顔が明るく見える、と伝えれば、使い回しはきかない。

定型文と言われてから、私は彼女の服を見て、色の話をするようにした。返ってくるメッセージが、目に見えて長くなった。どこを褒めたかまで言うようになって以来、お世辞だと返されたことはまだない。

口癖に具体を一つだけ足す

いつもの「すごいね」で止めず、どこがすごいかまで言い切ろう。締め切り前に全部そろえたのがすごい、と言えば、口癖が相手専用の一言になる。

私も彼女に、繁忙期でも早起きしてるのがすごい、と言うようにした。照れくさそうに、まあね、とだけ返ってきた。

言ったあとの反応が薄かったら、気まずい

勇気を出して褒めたのに、そう?とだけ返されたらどうしよう。沈黙の数秒が頭に浮かぶだけで、言うのをやめたくなる。スベるくらいなら黙っておこう、と考えてしまうのは自然なことだ。

薄い反応は、照れの裏返しかもしれない

褒められた側は、うまい返し方がわからず、そっけなくなることがある。反応の薄さが、そのまま嫌がっているサインとは限らない。

既読のまま返事がなくても、追いの一通は送らない。返し方に迷う時間を、相手に残しておくためだ。

ただし、同じ相手に二度そっけない返事をされたら、その種類の褒め方はやめる。照れか迷惑かを決めるのは相手で、こちらの解釈ではないからだ。

あの時の同期の返事も、ふうん、の一言だけ。(え、迷惑だった?)その晩は寝る直前まで、頭の中で一人反省会が続いた。

翌週、同期のほうから、色分けのコツ教えてあげようか、と声をかけてきた。あの一言、ちゃんと届いてたのか!

気まずさは、次に会うころには消えている

選んだものや仕事への一言なら、最悪でも数秒の沈黙とその日の気まずさで終わる。翌日には相手も自分も、別の用事で頭がいっぱいになっている。体に触れた一言は別で、先輩の件では一週間尾を引いた。

言い方を外したと感じたら、翌日に短く謝ればいい。昨日は変な言い方をしてごめん、と言えば十分だ。

反応が薄いときの逃げ道を一つ持っておく

空振りに終わったときに備えて、話を切り替える一言を用意しておこう。それだけ伝えたかった、と軽く笑って、次の話題に移ればいい。

私の逃げ道も同じ一言だ。彼女に使ったのは一度きりで、言った私のほうが先に吹き出した。

好意まで伝わったら、重いと思われそう

思いを寄せる相手には、褒めるだけでなく好意も少しずつ伝えたい。でも、好きがにじんだ一言は、相手の負担になりそうで怖い。返事に困らせたらと考えるうちに、いつもの世間話で一日が終わる。

重く聞こえるのは、問いかけの一言

重く感じさせるのは、言葉そのものより、返事を求める形のほう。また会えるかな、どう思ってる、と問いかける一言は、相手に答えを迫る。今日は楽しかった、と伝えるだけなら、相手はうなずけば済む。

返事のいらない一言なら、次の日に戻せる

答えを求めない言葉から始めれば、空気が重くなっても次の日には元に戻せる。脈ありかどうかを、その場の反応で測らなくていい。

五回目の帰り際、私は彼女に、猫の話がずっと頭から離れない、とだけ伝えた。返事を待たずに改札へ向かったのが、意外とよかったらしい。

別れ際に、今日の名場面だけを口にする

好意を伝えたい相手には、帰り際に、一番楽しかった瞬間を一つ口にしてみよう。あの話、思い出し笑いしそう、くらいの短さでいい。楽しかった気持ちが、問いかけの形をとらずに相手へ届く。

照れくさくて、一言目が出てこない

言うべき言葉も、言っていい理由も、頭ではもうわかった。それでも、いざ相手を前にすると顔が熱くなり、言葉が引っ込む。(なんでこんなに恥ずかしいんだ)

照れの正体は、言い慣れていないだけ

照れくささは、相手への気持ちの大きさとは関係がない。使い慣れない言葉を、初めて口にする違和感があるだけ。自転車と同じで、回数を重ねれば体のほうが先に慣れていく。

彼女の店選びに触れた翌月、職場でも一日一回、誰かの仕事ぶりを言葉にすると決めた。相手は男性でも女性でもかまわない。一か月もすると、口のほうが勝手に動くようになった。

照れくさいなら、お礼に理由を一つ添えるところから始めよう。会議室を押さえてくれて助かった、と言えば、お礼がそのまま褒め言葉になる。

最初の一回は、文字で送ってもいい

対面で言えないなら、最初はLINEの一文でかまわない。文字なら、送る前に何度でも書き直せる。一度文字にしてしまえば、次は同じ内容を声に出すだけになる。

今思えば、駅で送ったあの三通が、店選びの一言の練習になっていた。書いておいた言葉が、声に出すときの台本になってくれた。

今夜、一文だけ送ってみる

今日は、彼女か親しい女友達一人に、服や店選びを褒める一文を送ろう。職場の相手には文字で送らず、明日、人のいる場で言う一文として取っておく。

送った一文は、次に会ったとき声に出すための練習台にもなる。照れくささは一回目がいちばん大きく、あとは減っていくだけだ。反応がどうであれ、送った時点で今日の一歩は終わっている。

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