三人で食事して、楽しかった。それなのに、相手のことが分からない。この状態には理由がある。
三人の場は顔合わせであって、判定の場になっていない。材料が出ない組み方だから、悩むのは当然のこと。
不安を一つずつ分けて、次に何をするかを決めていこう。読み終わる頃には、今日送る一行が決まっている。
三人で食事したのに、相手のことが分からない
会話は弾んだ。笑った。それなのに、帰り道に思い出そうとすると、相手の情報がほとんど残っていない。
三人の場では、一対一の材料が出ない
三人でいる時、会話は全員に向かって開かれる。誰か一人に向けた言葉が出にくい。
質問も、場全体への問いかけになる。答えも、全員に向けて返される。二人の間だけで成立する会話が発生しないので、相性を試す場面が生まれない。
つまり、三人の食事で確かめられるのは、その人が場でどう振る舞うかだけ。あなたに対してどうかは、まだ何も出ていない。
紹介者がいると、気まずさが発生しない
もう一つ、紹介者が緩衝材として働いている。
沈黙が生まれそうになると、紹介者が話を振る。話題が尽きそうになると、共通の思い出が出てくる。だから、その場が気まずくならない。
楽しかったのは本当だと思う。ただ、その楽しさの何割が紹介者の働きによるものかは、分けて考えたい。二人になった時に同じ空気になるとは限らない。
相手について知ったことを三つ書き出す
今日やるのは書き出しだけ。あの日に知った相手の情報を三つ。
仕事、出身、趣味、休日の過ごし方。三つ書けるなら、材料は少しある。書けないなら、まだ何も始まっていない状態だと分かる。
紙に書くだけなので、誰にも何も伝わらない。
相手が自分に興味を持ったか判断できない
ここで止まっている人が一番多いと思う。
楽しかったは成立しやすい、だから判定に使えない
三人の食事は、そもそも楽しくなりやすい形をしている。紹介者が場を回し、初対面の緊張も分散される。
だから、楽しかったという結果は、相手の関心とほとんど関係なく発生する。あなたに興味がなくても、その日は楽しめてしまう。
楽しかったから脈あり、と読むと外す。ここは判定材料から外しておこう。
見るとしたら、相手からの質問の数
わずかに残る材料が、質問の方向。
相手が、あなたに向けて質問をしたか。紹介者ではなく、あなたに。何度あったか。
三人の場でも、特定の相手に向けた質問は出る。仕事のこと、休日のこと、好きなもの。ここに関心が出やすい。
ただし、これも弱い材料。社交的な人なら、誰にでも質問する。だから単独では決められない。
誰が誰に質問していたかを思い出す
やることは思い出す作業。会話の流れの中で、相手がどちらを向いていたか。
あなたに向いた場面が複数あるなら、一票。紹介者とばかり話していたなら、その日は場を楽しんでいただけかもしれない。
どちらにしても、次に進まないと確定しない。
誰から動くべきか分からない
ここが一番の分岐点になる。
紹介された立場は、両方を受け身にする
紹介という形には、独特の難しさがある。自分から望んで会ったのではなく、間に人がいて成立した場だから。
すると、両方が同じことを考える。相手が乗り気なら向こうから来るはず、と。紹介者が何か言ってくるかもしれない、と。
結果、二人とも待つ。誰も動かない。
私も経験がある。友人に紹介されて三人で食事した。悪くなかった。帰り道に、どうだった、と聞かれて、悪くなかった、としか言えなかった。情報が足りなかったから。
その後、どちらからも連絡がなく、そのまま消えた。私は待っていた。たぶん相手も待っていたと思う。
待っている側同士だと、そのまま消える
紹介の後にありがちなのが、この形。悪い印象を持たれたわけでもないのに、何も起きずに終わる。
しかも、時間が経つほど連絡しにくくなる。三日なら自然でも、三週間空くと理由が要る。一か月過ぎると、もう終わったことになる。
止まっているのは温度のせいではなく、動く人がいないから。
動くと決めてしまう
やることは決断一つ。自分が動く側に回ると決める。
相手の気持ちは分からないままでいい。分からないから動く、という順番で問題ない。判定材料は、動いた後にしか出てこないから。
断られても、紹介者に迷惑はかからない。次の項目で、その手順を書く。
紹介者に聞くべきか、直接動くべきか
ここは手順の話。
経由すると、伝言のたびに温度が落ちる
紹介者に、どう思ってたか聞いてもらう。よくある方法だけど、効率が悪い。
紹介者があなたの気持ちを相手に伝え、相手の答えを持って帰ってくる。伝わるまでに二回の変換が入る。そのたびに、温度も細かいところも落ちる。
しかも、紹介者に判断の負担がかかる。悪い返事を持って帰る役をやらせることになる。
紹介者への一言は、礼儀であり保険でもある
だからといって、無視して進めるのも違う。場を作ってくれた人だから、一言入れておく。
内容は簡単でいい。昨日はありがとう、楽しかった。この一行で足りる。
これには保険の働きもある。連絡したことが後から伝わっても、話が通っている状態になる。しかも、紹介者側から相手の様子が返ってくることもある。聞き出そうとしなくても、自然に出てくる。
紹介者に先に一行入れる
順番はこう。紹介者にお礼、それから相手に連絡。
間隔は空けなくていい。同じ日でも問題ない。むしろ、お礼が遅れるほうが気になる。
二人で会う流れをどう作るか
最後に、実際の誘い方。
三人の場で出た話題を、口実として使う
いきなり誘うと唐突になる。あの日に出た話題を持ち出すと、自然につながる。
行きたいと言っていた店、好きだと言っていた作品、盛り上がった趣味の話。何か一つは残っているはず。
あの時話してたあれ、という入り方なら、こちらの意図が前に出すぎない。相手も返しやすい。
いきなり二人が重いなら、もう一度三人でもいい
二人で誘うのが重いと感じるなら、もう一度三人でもいい。紹介者を含めた形なら、相手の心理的な負担が軽い。
ただし、そこで終わらせないこと。二回目の三人の場で、次の話題を残しておく。三回目に二人になる、という段取りにすれば無理がない。
相談を受けた男性は、紹介者を経由して探り合ったまま一か月過ごしていた。直接連絡してみたら、相手も同じように待っていたそうだ。動いたその日に、話が進んだ。
出た話題を一つ引用する
準備するのは一つだけ。あの日の会話から、次につながる話題を一つ選ぶ。
覚えていないなら、紹介者に聞いてもいい。何の話で盛り上がってたっけ、と。これなら探りにならない。
今日の一歩は、これ一つだけ
紹介してくれた友達に、お礼の一行を送る。この前はありがとう、楽しかった。それだけ。
相手への連絡より先に、ここを済ませておく。順番を守ると、この後どう動いても筋が通る。
しかも、返事の中に情報が混ざることがある。あの人も楽しかったって言ってたよ、という一行が返ってくるかもしれない。聞き出そうとしなくても、向こうから出てくる。
送るのは一行だけ。今日のうちに送ってしまおう。

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