全然いいよ、と返ってきた時、安心と不安が同時に来る。許されたようでいて、何も解決した気がしない。
この言葉の働きは、許可を出すことじゃない。その話題をここで終わらせること。だから、平気な時にも平気じゃない時にも、同じ形で出てくる。
不安を一つずつ分けて、確率と、まだ動かせるかどうかで検証していこう。読み終わる頃には、次に何を送るかが決まっている。
全然いいよは、本当に大丈夫という意味なのか
謝った。返ってきたのがこれ。会話は終わったのに、こちらの中では終わっていない。
この言葉の役割は、その話題を閉じること
言葉には、意味とは別に働きがある。全然いいよの働きは、話を続けさせないこと。
謝罪が続くと、相手は何度も許可を出す作業をしなければならない。それが面倒だから、一度で閉じる。この動きは、怒っていてもいなくても起きる。
だから、閉じたという事実だけが確定していて、その中身は言葉に含まれていない。
閉じたい理由は、四つに分かれる
一つ目、本当に気にしていない。話す必要がないから閉じた。
二つ目、言っても変わらないと思っている。過去に伝えた経験があって、それが効かなかった場合に出る。話す意味がないから閉じた。
三つ目、今この場で揉めたくない。人がいる、時間がない、疲れている。話す場所ではないから閉じた。
四つ目、感情の整理がついていない。腹を立てているけれど、その理由を言葉にできていない。まだ話せないから閉じた。
四つとも同じ五文字になる。言葉の側から見分けるのは、たぶん無理。
その後に会話が続いたかを見る
判定に使えるのは、直後の展開。
全然いいよの後に、別の話題がふつうに続いたなら、一つ目の可能性が上がる。会話が止まったり、返信が急に短くなったなら、他の三つを疑う。
その日のうちに向こうから連絡が来たかどうかも見よう。来ないなら、閉じたのは話題だけじゃなかったかもしれない。
全然、という強調が引っかかる
いいよ、で足りるところに、全然が付いている。ここが気になった人は、感覚が鋭いと思う。
打ち消すものがある時にだけ、強調が付く
強調は、何かを打ち消すために使われることがある。否定すべき対象がなければ、強める必要がない。
本当に何も感じていないなら、いいよ、で終わる。全然を付けたということは、打ち消したい何かが本人の中にあった可能性が残る。
もちろん、これだけで断定はできない。ただ、引っかかった自分の感覚は、無視しなくていい。
ただの口癖の場合もあるので、普段と比べる
一方で、全然を多用する人はふつうにいる。全然大丈夫、全然平気、全然オッケー。会話の癖として定着している場合、意味は薄い。
だから単独では判定材料にならない。比べるものが必要になる。
過去のやり取りから同じ言い方を探す
やることは検索だけ。過去のメッセージで、同じ言い回しを使っている場面を探す。
普段から使っている人なら、今回も口癖。今回だけ出てきたなら、そこに何かが乗っている。数分で終わるし、相手には何も伝わらない。
本当に怒ってない、と確認していいのか
心配になって聞きたくなる。ただ、この確認には副作用がある。
確認は、相手に説明の負担を渡す行為
本当に大丈夫、と聞かれた側は、もう一度考えて、もう一度答えなければならない。せっかく閉じた話題を、こちらの都合で開け直したことになる。
しかも、大丈夫だと答えるしかない形になっている。ここで実は嫌だった、と言い直すには、相当な労力がいる。
つまり、確認は安心を得るための行為であって、相手のための行為ではない。ここは自覚しておいたほうがいい。
三回聞くと、四回目に本当に怒られる
相談を受けた男性は、全然いいよと言われた後に、本当に怒ってないかを三回聞いた。四回目でついに怒られた。
彼は誠実に確認したつもりだった。相手からすると、何度も同じ答えを言わされたうえに、信用されていないと受け取れる。
心配から出た行為が、結果として相手を消耗させる。よくある形だと思う。
確認をやめて、行動に振り替える
聞くのを一回でやめる。代わりに、行動を一つ足す。この置き換えが効く。
言葉で確かめると相手の負担が増え、行動で示すと相手の負担が減る。同じ心配でも、向ける先を変えるだけで結果が変わる。
何度も同じことをして、毎回これを言われる
一回目なら流せる。三回目、四回目となると、話が違ってくる。
繰り返されているのは、言葉ではなくこちらの行動
毎回同じ言葉が返ってくるということは、毎回同じことが起きているということでもある。
遅刻、ドタキャン、返信の遅れ。相手が毎回同じように閉じているなら、そこには慣れがある。慣れているのは、こちらの行動に対して。
言葉の意味を解読するより、回数を見たほうが早い。
許しているのではなく、言うのをやめている場合
これは書いておかないと不誠実になる。何度も同じことが起きると、人は指摘するのをやめる。
言っても変わらないと分かった時点で、伝えるための労力を払わなくなる。表面上は穏やかになるけれど、内側では期待が下がっている。
全然いいよが毎回出るようになったのは、寛容になったからではなく、期待が減ったからかもしれない。ここは見ておいたほうがいい。
同じことを何回やったか数える
今日やるのは数えること。この三か月で、同じ理由で謝った回数。
一回なら偶発。三回以上なら、相手はもう学習している。数字にすると言い訳ができないので、少し痛いけれど、動くきっかけになる。
どう埋め合わせればいいのか分からない
謝った。許された形になった。それでも落ち着かない。この状態をどう終わらせるか。
謝罪の言葉を重ねても、減ったものは戻らない
ごめん、を何度も送っても、相手が失った時間は戻らない。言葉には、そこを補う力がない。
しかも、謝罪が長引くと、相手は許すという作業を何度もやらされる。優しさを要求されている状態になる。
謝罪は一回でいい。その後に必要なのは、別のもの。
埋め合わせは、具体的な予定として渡す
私の話をする。ドタキャンされた時、全然いいよ、と返したことがある。本当は三週間前から予定を空けていた。美容院も予約していた。
それを言うと重い女になる気がして、言えなかった。だから五文字で閉じた。閉じたけれど、消えてはいなかった。
その週の後半、彼から連絡が来た。翌週の土曜に店を予約したから、という内容。それで全部消えた。あの時、本当に怒ってないか確認されていたら、たぶん余計に腹が立っていたと思う。
効いたのは謝罪の言葉じゃない。日付と場所が入った提案だった。
日付の入った提案を一つ出す
やり方は簡単で、来週のいつ、どこで、と決めた形で出す。相手に選ばせない。今回はこちらが埋める側だから、負担を渡さないほうがいい。
断られたら日程を変えればいい。提案があった事実は残る。
今日の一歩は、これ一つだけ
本当に大丈夫か聞くのをやめて、代わりに次の予定を一つ出す。来週の土曜、あの店に行かない。この一行でいい。
確認は相手の負担を増やす。予定は相手の負担を減らす。同じ心配から出発しても、届き方がまるで違う。
送るのは一行だけ。何曜日にするか、今日のうちに決めておこう。

コメント