人たらしな女性の特徴は、たった三つ。話を否定しない。細かいことまで覚えている。で、次に会ったとき、その続きを向こうから聞いてくるんです。
男の側から言わせてもらうと、これが本当に効く。僕はこのタイプの女性に、何度も心を持っていかれてきました。職場でも、打ち合わせでも、紹介の食事でもアプリでも。場所が変わっても、心が揺れる流れは毎回そっくりだったんだよね。
人たらしは、狙って誰かを落とす人じゃない。目の前の相手を丁寧に扱った結果、勝手に好かれてしまう人のこと。だから、真似ができる。
ただ、いざやろうとすると足がすくむ人も多いはず。八方美人だと思われたら?重い女だと引かれたら?そう身構えるのは、ごく自然な反応です。
なんとなくの怖さは、分解すれば一つずつ潰せる。何が起きるのが怖いのか。その確率は本当に高いのか。仮に起きても、取り返しのつかない話なのかどうか。
たらされ続けた男の目線で、七つの不安を順番に検証していこう。読み終える頃には、動く準備も整っているはずだ。
人たらしを真似したら、八方美人だと思われそうで怖い
怖さの正体は、たった一言の陰口
誰にでもニコニコしていたら、「あの子、誰にでもいい顔するよね」とささやかれる。学生時代にそんな陰口を聞いた経験があるなら、警戒して当然です。
ここで、怖さを一つに絞ってみよう。嫌われること自体より、知らない場所で評価を下げられること。引っかかっているのは、たぶんその一点でしょう。
職場にいた、男女どちらとも距離が近い女性
前の職場に、誰ともあっという間に打ち解ける女性がいました。初対面の相手の目をまっすぐ見て、その話すごく面白いですね、と心底楽しそうに聞く。名前もすぐ覚えて、次に会えば前回の続きを振ってくるんです。
男性だけじゃない。女性の同僚とも、妙に仲がよかった。周りの評判は、ほぼ全員一致で感じのいい人。
否定的な声は、僕が耳にした限りひとつだけ。ある男性がぼそっと漏らした、誰にでも優しいから特別感がない、という愚痴でした。
確率で見れば、不満はわずか一人分
冷静に数えてみてください。感じがいいと言う人が大勢いて、不満は一人。しかもその一言、八方美人への批判ですらないんですよ。自分だけを見てほしかった男の、ささやかな嫉妬にすぎません。
(わかる。同じ立場なら、僕も絶対ぼやいてた。)
八方美人が嫌われるのは、相手によって態度を変えるから。上司には甘く、後輩には雑。その差に、人は計算の匂いをかぎ取ります。
彼女は誰に対しても同じ温度でした。差がないから、疑う材料もない。本人も、目の前の人をちゃんと見ているだけ、と笑っていたっけ。
やり直しがきくかも確かめておこう。仮に一人に陰口を言われても、態度を変えずに接し続ければ、評判は戻っていく。愚痴をこぼした例の男性ですら、最後には彼女を意識するようになっていたんだから。
最初の一手は、同性相手の練習から
だから、優しさを出し惜しむ必要はない。気をつけるのは、人によって温度を変えないことだけです。
練習台は、同性の誰か一人。気になる男性に向けるのと同じ熱量で、今週どこかで話を聞いてみよう。うなずきながら聞いて、最後に質問を一つ返す。異性より緊張しないぶん、最初の相手にはぴったりだよ。
前回の話を覚えて振ったら、重い女だと引かれそう
覚えていることがバレる気まずさ
細かいことまで覚えていると、好意が透けて見える気がする。下手をすれば、ちょっと怖い人扱い。そんな想像が先に立つのは、無理もない話です。
具体的に怖いのは、おそらくこの場面。なんでそんなこと覚えてるの、と真顔で返される数秒間ですよね。
受け手だった僕は、ただ嬉しかった
友人の紹介で知り合った女性と、何度か食事に行ったことがあります。彼女は僕の話を、一度も否定しなかった。その次に会った日、さらっとこう聞いてきたんです。
「前に言ってたあの話、その後どうなったの」
(え、覚えててくれたの?)
引くなんて、とんでもない。僕のことをしっかり見てくれているのが伝わってきて、胸の奥がじんわり熱くなった。気づけば、彼女のことを考える時間が増えていました。
白状すると、僕は覚えていても口に出せない側の人間でした。重いかなと飲み込んできたぶん、あの時の一言は余計に刺さった。
仕事の打ち合わせで会った女性も同じ。「前回の提案、どうなりましたか」と聞かれただけで、こっちは単純に舞い上がる。覚えていて引かれたという話は、僕の周りでまったく聞きません。
重いのは記憶の量ではなく、聞き方
可能性を見積もってみよう。覚えていたことで引かれるケースは、かなり少ない。引かれるとしたら、問い詰めるような聞き方をしたときです。あの件の行方を尋ねるのは、相手に話す場を差し出しているだけ。
最悪、よく覚えてるね、と言われたら、印象に残ってたから、と返せば済む。気まずさなんて、三秒もあれば消えるよ。
覚える中身は、自分で選べます。選ぶなら、相手の感情が動いていた話を一つ。住んでいる場所のような踏み込んだ情報は、あえて触れずにおくのが無難かな。
次の会話で、この前の話題を一つ聞き返す
次に誰かと会ったら、その人が前に話していたことを一つ思い出しておこう。会話の途中で、あれってどうなった?と聞き返す。相手の表情がふっと明るくなる瞬間を、自分の目で確かめてほしい。
目を見て反応するのが、わざとらしくて照れくさい
お世辞だと見抜かれそうで怖い
目を合わせて相手を褒めるなんて、営業トークみたい。照れ屋な人ほど、そう感じるのは当たり前のこと。冷められたらどうしよう、という怖さですね。
アプリで会った彼女に、すっかり乗せられた日
マッチングアプリで知り合った女性とは、初回から会話がよく弾みました。僕が趣味や仕事の話をすると、彼女は目を輝かせて「それ、すごくいいですね」と返してくる。
(え、僕の話ってそんなに面白い?)
調子に乗って、ついしゃべりすぎた笑。
ポイントは、彼女が褒めていたのが僕という人間じゃなく、話の中身だったこと。すごいですね、と人を持ち上げる言葉はお世辞に聞こえやすい。一方で、それいいですね、は話の内容への反応になる。中身に向けた反応は、嘘くさくならないんです。
仕事で会った別の女性も、こちらに取り入るような態度は一切なかった。それでも真正面から「それ、いいと思います」と言われると、ちゃんと聞いてもらえた実感が残るんだよ。
照れは、意外と相手に見えていない
ちょっと確率で考えてみよう。話している側は自分の話に夢中で、聞き手の照れにまで気が回らない。相手に届くのは、あなたの顔がこっちを向いているかどうか。演技のうまさなんて、誰も採点していません。
視線を合わせる長さも、自分で決められる。相手が一番言いたそうな一言のときだけ見れば足ります。
話の山場で、顔を上げて返す
次の会話で、相手の声に熱がこもるタイミングを待とう。そこで一度だけ相手の目を見て、それいいね、と短く返す。やってみれば、照れより手応えのほうが勝つはず。
否定しないと、自分の意見がない人だと思われそう
全部うなずくのは、媚びることと同じ?
否定せずに聞いてばかりいたら、中身のない女に見えそう。その心配も、もっともです。自分の考えを持っている人のほうが魅力的、という声もよく耳にしますしね。
突き詰めると、怖いのは薄っぺらい人だと見切られること。
打ち合わせで会った、意見を否定しない女性
先ほどの仕事相手の女性が、まさにそのタイプでした。こびへつらう素振りはゼロ。なのに、僕の意見を頭ごなしに否定することもなかったんです。紹介で食事をした彼女も、話の途中で評価を挟んでくることはなかった。
否定しないというのは、全部に同意することとは違う。相手の話を最後まで聞いて、それから自分の考えを足すこと。いいと思う、自分ならこうするかも。この順番さえ守れば、意見を言っても角は立ちません。
否定から入ったときの損のほうが大きい
最悪のケースを並べて比べてみよう。意見を言いそびれても、損をするのはその会話一回分。逆に「でも」から入ったらどうなるか。相手はその場で口を閉じて、その話題をもう振ってくれなくなる。
相手の考えが正しいかどうかを、あなたが裁かなくていい。コントロールできるのは、返事の最初の一語だけです。
返事の一語目を、相づちに変える
次の会話で「でも」「いや」と言いかけたら、「なるほど、それで?」に切り替えてみよう。自分の意見は、相手が話し終わった後でも、余裕で間に合うから。
会った後に自分から連絡したら、追いかけているみたい
先に送ったほうが負け、という思い込み
デートの後に自分から連絡するのは、がっついていると取られそうで気が引ける。既読のまま放置されたら、と想像しただけで指が止まる。その気持ち、痛いほどわかります。
次の予定を言い出したのは、毎回こっちだった
アプリで会った彼女から、別れた後に一通のメッセージが届きました。「今日の話、また続きを聞かせてほしい」。たった、それだけ。
(これ、脈ありってことでいいんだよな?)
結局、僕のほうから次の日程を出していた。紹介で知り合った別の女性のときも、まったく同じ展開です。「今日の話、楽しかったです。また聞かせてください」。この一文を読んだ瞬間、もう誘う気満々でしたね。
彼女たちは、自分から僕を誘ってはいない。続きを聞きたい、と伝えただけで、次の一手を僕の手に握らせていた。追いかけるどころか、追いかけさせていたわけです。次を決める役を任されると張り切るのが、男性心理ってやつ。
既読スルーされても、失うものは少ない
起きる見込みで言えば、楽しかったと伝えて引かれる場面はめったにない。もし返信が来なくても、脈の有無が早めにわかっただけ。メッセージ一通で、関係そのものが終わることはまずありません。
返事をするかどうかは、向こうの自由。こちらが整えられるのは、送る文面のほうです。
楽しかった話題を名指しして、続きを託す
誰かと会った日の夜は、楽しかった話題を一つ、具体的に挙げよう。締めは、また続き聞かせてね、の一言で。文面を今のうちに下書きしておけば、当日に迷わない。備えておくだけで、送信ボタンはずっと軽くなる。
誰にでも同じ態度だと、本命には選ばれない気がする
その他大勢で終わりそうな不安
特別扱いしないと選ばれない、と恋愛ではよく言われる。誰にでも同じ顔をしていたら、いい人止まりがオチかも。大学のサークルにいたある男性も、ちょうどそこで悩んでいた。相手の女性が他の人とも同じように接するから、本気かどうかわからないと。
その迷いは、男の僕にも身に覚えがある。
特別感が薄れても、惹かれ続けた
僕自身、その疑いのど真ん中にいました。アプリで会った彼女について、後から人づてに聞かされたんです。あの人は誰とでもすぐ仲良くなるタイプだよ、と。
(まさか、僕だけじゃなかったとは。)
正直言って、ちょっと落ち込んだ。なのに、会うたびにやっぱり心が動く。他の候補より、彼女と会う予定を優先していたくらいです。紹介で知り合ったもう一人の女性のときも、流れは同じでした。
紹介で最初に会った彼女もそう。接し方は他の男性と変わらないのに、僕だけ特別だと感じる瞬間があった。
特別感の正体は、独占じゃなかったんです。彼女は僕にだけ優しかったわけじゃない。でも、僕の話の続きを知っているのは彼女だけでした。態度は誰にでも同じでも、覚えている中身は相手ごとに違う。その中身が、僕にとっての特別になっていた。人たらしと呼ばれる女性の、いちばん真似したい特徴はここです。
迷われても、関係は前に進む
例のサークルの彼も、迷いながら彼女と会い続けた。最後には、二人で付き合うことに。疑われる時期はあっても、そこから話が進んだ例を、僕はいくつも見てきました。
相手が本命に選ぶかどうかは、こちらでは動かせない。動かせるのは、相手について覚えている量と、一緒に過ごす時間です。職場で愚痴っていた男性が彼女に惹かれたのも、他の人より少し長く話していたからこそ。
態度はそのまま、話す時間を五分延ばす
本命にしたい人がいても、扱いはほかの人と変えなくていい。変えるのは、そばにいる長さだけ。いつもより五分、粘ってみよう。その五分で、相手の話をもう一つ覚えて帰ること。
人見知りだから人たらしなんて無理、と諦めかけている
明るい人だけの才能に見える
人たらしと聞くと、社交的で話のうまい人を思い浮かべるかもしれない。人見知りの自分には縁がない話。そう決めつけたくなる気持ちも、わからなくはないです。
彼女たちは、話すより聞いていた
振り返ると、僕を惹きつけた女性たちは誰一人、ぐいぐい来るタイプではありませんでした。紹介で会った二人目の彼女なんて、距離を詰めてくる気配すらなかった。サークルで人気だった女性に聞いても、返ってくるのは、ただ話を聞いているだけ、の一言。
周りが人たらしだと噂しても、本人たちに自覚はない。していたのは、聞いて、覚えて、続きを尋ねること。聞き上手が少しだけ進化した形、と言ってもいい。話術の才能なんて、どこにも出てこないでしょ?
うまくいかなかった場合も想定しておこう。試して空振りしても、何かを失うことはない。相手の中に残るのは、話を聞いてくれた人という好印象。
今日できる一番小さな一歩
今日、誰かと言葉を交わしたら、その人の名前と話題を一つだけスマホにメモしておこう。一行で構わない。次に会うとき、そのメモから自然に話が始まる。
準備は、それで終わり。あとは、その人と再会する日を待てばいい。

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