インスタの交換は、連絡先の交換とは働きが違う。渡しているのは連絡の手段ではなく、見ていい許可のほう。
だから通りやすい。同時に、交換できたこと自体には意味が乗りにくい。ここを知らずに交換をゴールにすると、そこで止まる。
不安を一つずつ分けて、確率と、やり直せるかどうかで検証していこう。読み終わる頃には、聞き方と、その後の一手が決まっている。
聞いて断られたら、その後が気まずい
職場でも、習い事でも、共通の友人がいる集まりでも、断られた後に顔を合わせ続ける場面を想像すると手が止まる。
断られる確率は、思っているより低い
まず数字の感覚を直しておこう。インスタを聞かれて明確に断る人は、そう多くない。
理由は簡単で、断るほうにもコストがかかるから。理由を作って、相手に恥をかかせないように言葉を選ぶ必要がある。その手間を払うより、教えたほうが早い。
しかも、断るとしても形が柔らかい。あんまり更新してないんだよね、鍵かけてるから、といった形になる。突き放す返事はまず来ない。
インスタが断られにくい理由
LINEを教えるのは、連絡を受け取る意思を示すことになる。一対一の窓口が開くから、断る側にも判断が要る。
インスタは違う。フォロワーが何十人、何百人といる場所に一人増えるだけ。見られる前提で運用しているものだから、渡すハードルが下がる。
つまり、聞く側が思っているほど、聞かれた側は重く受け取っていない。ここは安心していい部分。
相手が断る時の言葉を想像してみる
今日やるのは想像だけ。もし断られたら、相手はどんな言葉を使うか。
書き出すと、たいてい柔らかい言葉しか出てこない。冷たく突き放される場面を思い浮かべていた人ほど、この作業で恐怖が縮む。
紙に書くだけだから、誰にも何も伝わらない。
どう切り出せばいいのか分からない
タイミングと言い方が決まらないまま、何か月も過ぎる。ここを具体的に決めておこう。
聞くのではなく、渡す形にする
教えて、と聞くと、相手は答えるかどうかを判断することになる。判断が発生すると、そこに断る余地が生まれる。
先に渡すと、判断の形が変わる。私のアカウントこれです、と伝えるだけなら、相手は受け取るだけで済む。返すかどうかは相手の自由なので、断る場面自体が発生しない。
代わりに、返ってこない可能性は残る。確実に交換したいなら聞く形、断られたくないなら渡す形。目的で選ぼう。
理由を実用に紐づける
一番通りやすいのは、渡す理由が外側にある形。
写真を撮った後なら、送るからアカウント教えて、で自然に済む。相手が話していた店や趣味があるなら、そのアカウント見たいから教えて、が使える。共通の知人に タグ付けされている投稿があれば、そこから辿った形で話が始まる。
理由があると、こちらの意図が薄まる。断られても、写真の話が流れただけになる。
きっかけになる場面を三つ書き出す
やることは書き出しだけ。今の関係の中で、自然に切り出せそうな場面を三つ。
写真を撮る機会、相手が話していた話題、共通の知人が絡む場面。この三つの型に当てはめると、たいてい何か出てくる。
三つあると、一つ流れても慌てない。備えておくと、その場で考えなくて済む。
交換できたのに、何も進まない
ここからが本題になる。実は、交換より難しいのはこの先。
交換した後に何もしなくても、不自然にならない
LINEを交換して一度も送らないのは、少し不自然に映る。交換した意味がないから、どちらかが何か送る流れになる。
インスタには、その圧力がない。見るだけで成立する。フォローしたまま何もしないのは、ごく普通の状態だから。
つまり、交換した後に沈黙が続いても、誰も違和感を持たない。放置が自然な形として許されてしまう。
だから、交換そのものはきっかけになりにくい
私も経験がある。何か月も聞けずにいて、結局は写真を撮った流れで聞いた。送るから教えて、と。あっさり交換できて、拍子抜けした。
それから半年、何も起きなかった。相互フォローのまま、投稿にいいねを押すだけの関係が続いた。
交換をゴールに置いていたから、次を用意していなかった。あの半年は、完全に自分の準備不足だった。
交換より先に、最初に送るものを決めておく
順番を変えよう。交換の方法を考える前に、交換できた直後に何を送るかを決めておく。
写真を送る、店の場所を送る、話していた記事を送る。何でもいい。送るものがあると、交換が手段になる。
決めていないまま交換すると、その日に何も送らないまま一日が終わる。一日空くと、二日目はもっと送りにくくなる。
いいねを押すだけで、何か月も経っている
反応だけを続けると、その位置で固まる
いいねは、こちらの存在を知らせる合図にはなる。ただ、そこから会話は発生しない。
しかも、続けるほど当たり前になる。毎回押す人という位置ができて、押しても何も動かなくなる。
相談を受けた男性は、三か月間、相手のストーリーに毎回いいねを押していた。相手は気づいていたけれど、そこから話が始まる理由がなかった。三か月、両方が待っていた形になる。
見ていることは伝わっているのに、進まない理由
いいねには、内容がない。何に反応したのか、どう思ったのかが乗らない。
受け取る側は、見られたことだけを知る。返す言葉がないので、会話にならない。
つまり、伝わってはいるけれど、返せない。返せないものを送り続けても、往復は生まれない。
いいねをやめて、一行送る
やることは置き換え。次にいいねを押しそうになったら、代わりに一行送る。
同じ手間で、返せる形になる。しかも、毎回いいねを押していた相手からの一行なので、唐突にはならない。
三か月分の下地があるなら、それを使わない手はない。
DMに何を書けばいいのか思いつかない
送る決心はついたけれど、文面で止まる。ここを具体化しておこう。
感想ではなく、質問の形にする
いい写真ですね、おいしそう。感想は返しにくい。ありがとう、で終わってしまう。
質問にすると、相手に返す内容が生まれる。どこの店ですか、これどうやって撮ったんですか、いつ行ったんですか。答えられる形にすると、会話が一往復増える。
長く書く必要はない。一行の質問で十分。
ストーリーへの返信が、一番軽い入り口
投稿へのDMより、ストーリーへの返信のほうが軽い。二十四時間で消えるものなので、返す側も気楽に扱える。
しかも、ストーリーには質問しやすい要素が入りやすい。店、景色、食べ物、出かけた先。どれも聞ける。
普通のDMより敷居が低いので、最初の一通はここから始めよう。
返信できる投稿を一つ選んでおく
準備するのは一つだけ。相手のアカウントを見て、質問できそうな投稿やストーリーを一つ決める。
決めてあると、あとは送るだけになる。文面を考える作業と、送るかどうか迷う作業を、同時にやろうとするから固まる。
分けておけば、送る瞬間の負担が半分になる。
今日の一歩は、これ一つだけ
交換する前に、最初に送る一文を決めておく。すでに交換している人なら、今日送る一行を決める。
きっかけを探す時間より、その後に何を送るかを決める時間のほうが効く。交換は数秒で終わって、そこから先が本番だから。
写真送るね、あの店どこですか、これ気になってた。どれでもいい。
決めるのは一文だけ。今日のうちに、送る言葉を作っておこう。

コメント